〜BLU-118〜


BLU-118/B サーモバリック
2001年秋より始まり2002年現在なおも続行中の不朽の自由作戦では、アフガンを実効支配していたタリバンやアルカイダの要人は、世界有数の山岳地帯である地勢を活かして、要塞のような巨大洞窟を掘り、潜んでいるとされており、空爆が開始される僅か前、10月11日より洞窟に立て篭もるテロリストを一掃する特殊爆弾の開発が開始されました。

BLU-118/BサーモバリックはBLU-109貫徹爆弾(Mk81〜Mk84通常爆弾項で解説)をベースに、TNT炸薬を粉塵状固形燃料に置き換えたもので、山腹に投下された後、地面を掘削して洞窟内部にて起爆して洞窟内部を焼き尽くします。

封鎖された空間で、このような爆弾を使用すればどうなるかは容易に想像が付くかと思われますが、火炎を伴なう高温高圧の爆風がほとんど威力を威力を失う事無く洞窟の奥深く、長距離まで到達し、高温で体を焼かれ、その瞬間爆発で木っ端微塵になってしまうでしょう。仮に直撃を受けず、重軽傷を負いながらも一命を取り止めたとしても、酸素は全て燃料の燃焼によって奪われ窒息死は免れられません。炭鉱での粉塵爆発では、数百人の死者を出す事がしばしばありますが、サーモバリックは炭鉱での粉塵爆発を人為的に起こす対人殺傷用の特殊爆弾です。地形貫通能力こそはGBU-28ディープスロート(BLU-113弾頭)に劣りますが、貫徹後の殺傷力ではこの爆弾に勝るものはありません。

また、BLU-118サーモバリックはBLU-109と完全に互換性が保たれており、GBU-24ペイブウェイ3誘導キッド、GBU-15誘導キッド、AGM-130ミサイル等、各種誘導兵器の弾頭として使用することができます。現在F-15Eのみが装備可能ですが、F-117やF-16等にでも、一切の改良無く搭載することが可能です。

開発開始から2ヶ月後の2001年12月14日に、ネヴァダ砂漠(エリア何某が有る砂漠です。GBU-28も埋まってる…)にて実射テストが行われ成功裏に終了し、翌年2月に試作10発が現地へと送られ、3月3日、ストライクイーグルによってタリバン、アルカイダの残党が立て篭もる洞窟へとBUG-24誘導キッドを取り付けられ投下されました。過去サーモバリックのように開発から実戦投入まで短期間で行われた爆弾はGBU-28ディープスロートぐらいのものです。湾岸戦争停戦条約前日に今まで破壊することの出来なかったバンカーに対する有効試験+威嚇に使用されたバンカーバスター同様、サーモバリックも洞窟に潜伏するテロリストへの威嚇と有効試験、悪い言い方をすると人体実験であったと言えます(当然空軍や政府が人体実験などと言うわけがありませんが)。
クラスター爆弾やMOAB同様、サーモバリック爆弾も人間殺傷を極限に高めた兵器であるため人権擁護団体や反戦団体から多くの反対が噴出しています。彼らの言葉を借りるとしたら「非人道的爆弾」にあたいするでしょう。



名称 BLU-118 Thermobaric Bomb
用途 地下施設対人殺傷
重量 1975ポンド(897キログラム)
全長 98.5インチ(2.50メートル)
直径 14.5インチ(36.8センチメートル)
弾頭 サーモバリック粉末燃料560ポンド(254キログラム)







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