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パイロットは出撃の前にコンピューターにメモリーカートリッジを差しこみミッションブリーフィングで指示された目標の位置、航路の経由点情報、詳細な戦域地図、脅威となるSAM陣地、兵装ソフトウェアなどのデータをダウンロードします。そしてそのメモリーカートリッジをコックピット内にあるスロットに差込む事によりF-15Eセントラルコンピューターのメモリーにアップロードされます。セントラルコンピューターの記憶媒体は数100メガバイトの容量があり、強いショックにも耐えられるようになっております。

F-15Eストライクイーグルの航法は非常に優れた慣性航法装置(INS)を使用して行ないます。通常のINSは三軸のジャイロ儀によりどの方向にどれだけ加速したかを計算して計器に表示しますが、F-15E搭載のレーザー慣性航法装置は非常に優れた技術を利用しており、機体内部にある僅かな空間で一定の波長のレーザーを鏡に向かって照射し、その反射をセンサーが感知するリングレーザージャイロを装備しており、もしも機体が動いているのならば反射波がドップラー効果により波長が変化するのでその波長の差分を読み取ります。デジタルデータに変換後、情報処理されるのです。
このF-15Eストライクイーグル搭載のINSは機械的誤差が発生しないため、僅か1ノットでも反応し数百海里飛行しても誤差は僅か10メートルにしかなりません。
クルーは「スイッチを入れてから4分で起動するし、1ノット以下でも作動する。実際位置といつも100フィートと離れていない」と、素晴らしさを語っています。

INSにより自機の位置は戦術状況ディスプレイの電子地図に表示され航法を容易にします。長距離INTミッションでは逐次AWACSの指示を受けて飛行するということは無いのでこれらの技術は非常に重要になります。

現在ではナブスター衛星、いわゆるGPS衛星が十分な数が揃っておりF-15EにもGPS航法装置が取り付けられました。湾岸戦争時は衛星もまだ少なく受信機自体も少なかったので陸軍では一部民間の一般向けGPSが使用されたという話もあります。INSとGPSの併用でさらに精度と信頼性が高まりました。

(ナブスター衛星)




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